作曲家 金子忍の 提供できる仕事 作曲
子どもに関わる歌も私の作曲活動の中心としてきた分野です。
教員時代や、作曲を本業としてからも、幼稚園、小学校低学年、小学校中高学年~中学生~高校生と、幅広い年齢層の子どもと直接関わり、歌ってもらう多くの実践をする中で、たくさんの作品を作ってきました。
劇中歌として作曲した歌も、プロ劇団の学校公演や幼稚園・保育園公演で子どもたちも一緒に歌ってくれています。
『こどもの歌』ということばでこのジャンルをくくることには、ためらいがありました。
『こどもの歌』ということばから大人がイメージするシンプルなもの以上に、子どもは“難しい”(と大人が思うような)歌も歌えますし、今まで作ってきた曲にはそういう曲もあるのですが、『こどもの歌』と言ってしまうと、うんとイメージを狭めてしまう気がするからです。
だからといって、いたずらに難しい曲を作るということではありません。昨今の子ども番組で流れる歌やアニメソングは、ポップスとあまり変わりない複雑なリズムやポップなものが多いですが、時代を超えて残っているシンプルなメロディーは、流行りと関係なく、普遍的に子どもの心を捉えていますし、私は、むしろ、日本の昔ながらの童謡や歌曲の美しさを伝えたいとも思っています。
なので、『こどもの歌』ではなく『子どもの“ための”歌』というカテゴリーにしました(これももっと良い表現はないものかと、検討中なのですが)。
また、聴いて楽しむだけの歌ではなく、子ども(や大人)が歌うことを前提にしています。
子どもが“よろこぶ”歌ばかりでなく、子どもの“心に届く、響く”歌。それは、子ども自身がもちろん歌いたくなる歌でもあり、大人も聴きたいし歌いたい歌であり、子どもに聴かせたい歌でもあるはず。そういう歌を心がけています。
『愛唱歌』は『子どものための歌』や『歌曲』と通じる部分が多いですが、特に詞の内容など、子どもに限定せず広い世代の方を対象にした、誰しもに口ずさんでいただける歌です。流行りを追わない、思わず口ずさみたくなる、そのような曲作りを目指しています。
ただそのために、テクニックとしての方法論で作るわけではなく、シンプルに“言葉から自然に生まれる”メロディーを整えてゆくだけなのですが。
ちなみに、楽曲を提供した児童演劇の舞台をご覧になった方からは
「一度聴いただけでメロディーが頭の中を一日回っている」
といった声をいただいたり、
楽曲提供している小中高生ミュージカルの参加者(キャスト)のお母さんからは
「(出演した子の兄弟の)下の幼稚園の子が一緒に覚えて歌ってます」
といった声をよくいただきます。
作曲にあたり、ことばを生かすことはもちろんですが、メロディーはなるべくシンプルに、ほとんどの子どもが無理なく歌える音域で、ハーモニーのパートはつけないか、もしくは最低限部分的につけて、ユニゾンでも歌える形にします。
用途に応じて、ピアノ伴奏(楽譜&カラピアノ音源)もしくはカラオケアレンジ音源を作成します。
子ども(小学生~高校生)の合唱曲(二部以上のパートに分かれる曲)については、歌曲・合唱曲のページをご覧下さい。
実績例)
『劇とあそびの子どもまつりの歌』 全児演関東ブロック
子どものための舞台表現に関心を持つ表現者(プロ&アマ)と鑑賞者の団体『全国児童青少年演劇協議会』(略称=全児演)の関東ブロックが2010年から毎年11月3日(文化の日)に行っている『劇とあそびと平和のこどもまつり』のテーマソング。
観客のみなさんと一緒に歌えるように、コールアンドレスポンス形式(追いかけ歌)になっています。
『まいにちありがとう』平塚市立八幡小学校40周年記念ソング
子どもたちから集めたキーワードを元に作詞作曲。
文化庁の『子どものための舞台芸術支援事業』とタイアップし、神奈川フィルハーモニー管弦楽団によってオーケストラ編曲で演奏され、同校の40周年記念式典で全校児童によって歌われました。
以後、一部の歌詞を40周年以外でも歌えるように修正して、毎年入学式で、在校生によって、新入生を迎える歌として歌われています。
『横浜市立子安浜中学校校歌』※架空の中学校です。
※史実に基づいて制作された創作劇『よこはまの夜間中学校に灯がともる』(2013年・地域演劇教育集団劇団ひこばえ)の挿入歌として、劇の舞台となった架空の中学校「子安浜中学校」の校歌として作曲し、劇団ひこばえのメンバーと、特別出演の中学校合唱部の生徒さん達によって劇中で歌われました。